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クレナフィン爪外用液10% 発売3周年記念講演会



本日は東京ドームホテルで開催された「クレナフィン爪外用液10% 発売3周年記念講演会」に参加してきました。

クレナフィン爪外用液10% 発売3周年記念講演会2017東京

演題は以下の通りでした。

■講演1 クレナフィン爪外用液の特性と適応
演者 坪井 良治先生(東京医科大学 皮膚科学分野 主任教授)

■講演2 ここまでわかったクレナフィンの実力
演者 五十嵐 敦之先生(NTT東日本関東病院 皮膚科部長)

■講演3 爪白癬:現場の疑問を解決しよう
演者 仲 弥先生(仲皮フ科クリニック院長)

3つの講演はクレナフィン爪外用液10%の話と絡めつつも「爪白癬の診断&治療能力を向上していこう」というものでした。もちろん多くは知識として知っている、もしくは臨床経験を通じて体験しているものでしたが、興味深いお話も多数ありました。

NTT東日本関東病院におけるクレナフィン発売からの2年半で、処方した患者数は484例。転帰は約14%が治癒、約30%が治療継続中、約14%が中断(そのうち半数の理由が「改善の停滞」)、約40%が脱落だった。

→治療終了までに1年以上かかるのが爪白癬治療です。「根気よく続けることがいかに難しいか」を示していますね。

クレナフィンでの治療において症状の改善が確認できるまでの期間は「概ね3ヶ月」必要(これは治癒ではなく「あっ、ちょっと良くなってきたな」と分かるまでの期間を指しています)。

→爪白癬の内服治療でさえも経験的に「概ね2ヶ月」と感じているので、外用液でのこの結果は順当なものかと思われます。

楔形の白濁を呈した爪白癬には、意外とクレナフィンが有効。

→私のクリニックでも積極的に活用したいと思います。

爪白癬治療における内服薬と外用液の併用の可否は、都道府県によって異なるのが実情。「まず片方を3ヶ月試し、それで改善が認められなければ両者併用してもOK」という都道府県もあるとのこと。

→この点に関しては、早く全国的な統一見解が欲しいところです。

真菌症の診断には必ず顕微鏡検査をしよう! 2015年の論文では「皮膚科専門医でも爪白癬と他疾患の鑑別を視診のみで行った際の正解率は67.7%」でしかない。 爪白癬かどうかは見ただけではわからない!

→皮膚科医なら真菌顕微鏡検査は当然、というかそこに皮膚科医の存在意義があると私は思っていますが、アンケート結果によると大学病院でさえもやっていないところが結構あることが判明! 皮膚科医の未来が危ぶまれます。

爪白癬の内服治療後の再発率データあり。そういったことも念頭に置いて治療すべき。

→各内服薬ごとに再発率の数字が出ていますが、ここに書くのは控えます。経験的には感じていましたが、他施設でも同様の傾向であることを知り得たのは良かったです。爪白癬治療には内服薬&外用液を駆使した多角的な戦略が必要です。



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