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顔面播種状粟粒性狼瘡の赤い発疹は治りますか?



患者様よりお問い合わせを頂きました。

知り合いから松島先生のホームページの事を知りメールしました。

8月初めに皮膚科を受診し、9月9日に細胞診により「顔面播種状粟粒性狼瘡」と診断を受けました。現在は両頬に赤い発疹が30~50個も出来て、その上赤さが目立っており、泣きたい思いです。

ミノマイシン50mgとアクアチムクリーム1%を2週間分処方されましたが、病気そのものの説明を受ける時間がありませんでした。

さてお伺いしたのは以下の2点です。

(1)薬の効果があれば問題の赤味も取れるでしょうか?

薬の効果が数か月とか数年とか個人差があるそうですので待ちきれません。現段階で受けられるような例えば「赤ら顔の施術」など良い施術はありますか?

(2)シミのレーザ―治療は現時点でも可能でしょうか?

皮膚科と美容皮膚科、両方の見地からご教示くださいませ。

当院からの返信です。

〇〇様

お問い合わせありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。

顔面播種状粟粒性狼瘡(LMDF)がお顔に多数できてしまっているとのこと。
一日も早いご快復をお祈り申し上げます。

すでにご覧いただいたかもしれませんが、LMDFの病態につきましては下記ページにまとめてありますのでご参照ください。
目周りの赤いブツブツは皮膚病かもしれません

治療薬として処方を受けたミノマイシン錠は、LMDFに対し高い効果を発揮するので良い選択だと思いますが、1日量が50mgなのでしょうか? そうだとすると少なすぎると思います。

ミノマイシン錠は200mg/日が通常の服用量となっている薬剤です。ただし、ミノマイシン錠は副作用として「めまい」が出やすいため、当院では150mg/日と基本として使用し、効果不十分な患者様にのみ200mg/日としています。この点につきましては、ご検討ください。

以下、ご質問に回答いたします。

(1)
ミノマイシン錠が有効に作用した場合、LMDFに伴う「赤み」や「盛り上がり」は全て消え去ります。経過自体は「劇的」と表現しても差し支えないものと考えます。

「施術を受けてより早い改善を得たい」というお気持ちは理解できますが、病気の本質が「肉芽腫」という特殊な状況であるため、通常の「血管系病変による赤みを改善させるレーザー治療」では効果が期待できません。

従って、現時点ではミノマイシン錠が効果を発揮するようお待ちいただくのがベストかと存じます。

(2)
シミのレーザー治療は「シミ病変を傷が残らないように薄く剥がし取る」という施術であるため、皮膚のコンディションが悪い時に無理をして行ってしまうと、予想外の副作用が出てしまう可能性があります。

LMDFが出ていない部分へのレーザー治療であれば可能ですが、LMDFが照射部位に存在する場合は治療をお受けすることができません。まずはLMDFを治していただき、そのあとにレーザー治療を検討する方針がよろしいかと存じます。

以上となります。
どうぞよろしくお願いします。



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