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3.182017
目周りの赤いブツブツは皮膚病かもしれません
今年に入ってから「顔面播種状粟粒性狼瘡(LMDF:Lupus Miliaris Disseminatus Faciei)」という比較的珍しい皮膚病を2例ほど経験しました。
理解しやすいように、下記参考書より写真を引用して紹介させて頂きます。
(皮膚病アトラス第5版、P129、西山茂夫 著、(株)文光堂)
LMDFは20~30歳代男女(性差なし)の眼囲〜鼻〜頬〜口囲に直径5mm以下くらいの紅色丘疹(赤いブツブツ)が多発する皮膚病です。時として「皮膚内の小範囲の壊死」を反映して、膿がたまっているように黄色く見える丘疹(ブツブツ)も混ざってくることがあります(下写真参照)。
皮膚の一部を採取し病理検査をしてみると、毛包周囲に「類上皮細胞肉芽腫と中心壊死」が認められるため「狼瘡(皮膚結核)」という文字が病名に含まれますが、その後の精査により現在では結核菌との関連性が否定されています。
あたらしい皮膚科学第2版(清水宏 著)ではLMDFの病態を以下のように解説しています。
毛包やその内容物に対する肉芽腫性の反応によって発生するとされ、肉芽腫を伴う酒さの亜型と考えられている
治療はミノマイシン錠(ミノサイクリン塩酸塩)がよく効くので問題ないのですが、LMDFが「まぶたに限局して出る場合」になかなか皮膚科にいらして頂けないことがあります。
今回の患者様も「一年間眼科に通院し、点眼薬や抗生剤含有ステロイド軟膏を処方されていたものの改善しない」ということで当院に来院されました。
当院からミノマイシン錠を処方して2週間後に再来して頂いた際には、既に8割程度皮膚症状が改善していました。
「この1年間の悩みは何だったんだ・・・」とおっしゃっていましたが、残念ながらLMDFは皮膚科以外ではなかなか診断がつかない病気です。
目周りの赤いブツブツでお悩みの方は、ぜひ一度当院にいらしてみて下さい。
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