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3.62017
「声が出ない・かれる」は手術で治るかもしれません
私の弟は耳鼻科医なのですが、先月彼の業績が新聞で紹介されました。耳鼻科は正式には耳鼻咽喉科と呼ばれ、「耳」、「鼻」、「咽頭」、「喉頭」と非常に広範囲を担当している科でもあります。弟はこれらの中でも「喉頭」を専門としています。
以前から「音声改善手術」を行なっているとは聞いていましたが、兄弟であっても仕事の話を詳しく語り合ったりしませんので、今回の記事を読んで初めて知ったことも多かったですね。
■日刊ゲンダイ 「有名病院 この診療科のイチ押し治療(平成29年2月20日)」より引用
【反回神経麻痺】
【失われた声を取り戻す】
【音声改善手術の年間手術数で国内トップクラス】声帯の動きを支配している反回神経が何らかの原因で麻痺した状態を「反回神経麻痺(声帯麻痺)」という。
声帯の動きが障害されるので、「声がかれる」、「息が漏れて長く声が続かない」、「むせる」、「誤嚥(ごえん)」などの症状が表れる。
東邦大学医療センター大森病院・耳鼻咽喉科で音声外来を専門とする松島康二医師は(以下のように)言う。
外科手術は頚部を切開して、動かなくなった声帯を発声・嚥下時の位置に移動させる「披裂軟骨内転術」と、声帯を外から押して膨らませる「甲状軟骨形成術I型」の2つの手術がある。
外科手術ができる施設でも、どちらか片方の術式しかやらないケースが多い。しかし、同科は2つの術式を同時に併用。それだけ音声改善が確実になるという。
両術式をマスターする医師は、国内では20~30人しかいないという。
「手術をすれば、少なくとも元の声の状態の8割くらいまでに改善させることができます。また声帯が動かないことで、食べ物が気管に入ってむせ込んでしまう嚥下障害も、皆さんとても良くなっています」
反回神経麻痺が原因で「声がうまく出せない」、「むせる」、「誤嚥する」といった症状は、外科手術で改善できるかもしれません。
当院から東邦大学医療センター大森病院・耳鼻咽喉科(東京都大田区)に紹介させていただくことも可能です。
「手術で治ることを知らずに諦めている潜在患者さんが多い」とのことなので、周囲に反回神経麻痺で困っている方がいらっしゃれば、是非ご検討ください。
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