抗PAF作用が新しい! 新規抗アレ剤・ルパフィン錠 | 松島皮膚科医院 | 千葉 四街道の皮膚科・美容皮膚科の専門医

アナウンスBlog

抗PAF作用が新しい! 新規抗アレ剤・ルパフィン錠



本日は昼休みの時間を利用して田辺三菱製薬(株)さんによる「ルパフィン錠10mg 院内勉強会」を開催しました。

ルパフィン錠 院内勉強会

昨年から今年にかけて、抗アレルギー剤の新発売が続いています。デザレックス錠、ビラノア錠に続いて発売されるのが、今回のルパフィン錠です(本年11月の発売を予定しているそうです)。

すでに「相当出尽くした感のある抗アレルギー剤領域」ではありますが、ルパフィン錠には以下のような特徴があると説明を受けました。

(1)抗PAF作用+抗ヒスタミン作用
(2)ルパタジン(tmax)+デスロラタジン(t1/2)
(3)倍量投与可能(適宜増量)

抗ヒスタミン作用は皮膚病治療における重要な作用なのでもちろん知っていますが、「抗PAF作用」とは聞き慣れない単語でしたので調べてみました。

【Wikipedia】
血小板活性化因子(platelet-activating factor、PAF)は、血小板凝集や脱顆粒、炎症、アナフィラキシーを含む多くの白血球機能の強力なリン脂質活性化剤・メディエーターである。

AGEPC (acetyl-glyceryl-ether-phosphorylcholine) としても知られている。

また、白血球の血管透過性、酸化的破壊、走化性や食細胞におけるアラキドン酸代謝の増強に関与している。

PAFは、好中球、好塩基球、損傷組織、単球/マクロファージ、血小板、血管内皮細胞を含む様々な細胞種による特異的な刺激に応答して産生される。

体内での炎症に幅広く関与しているということはわかりますが、広範囲すぎてまだまだ具体的にイメージしにくいですよね。様々な病態における重要なケミカルメディエーターではありますが、この「PAFを抑制する効果のみ」という薬剤はこれまで製品化されていないそうです。PAFに関しては、「皮膚病においてどのように関与しているのか、またどの程度重要な役割を担っているのか」という情報を期待したいと思います。

次の「(2)ルパタジン(tmax)+デスロラタジン(t1/2)」はルパフィン錠(ルパタジン)の血中薬物動態の特徴を示しています。tmaxは「最高血中濃度到達時間」、t1/2は「血中半減期」です。

ルパフィン錠は1錠中にルパタジンを10mg含有しているのですが、体内に入ると約50%がルパタジンのまま未変化体として存在し、残りの約50%は代謝されデスロラタジン(!)に変化するそうです。デスロラタジンといえばデザレックス錠の主成分です。まさかここでデスロラタジンの話が出てくるとは思いませんでした。

50%がルパタジンとして「抗PAF作用+抗ヒスタミン作用」を有し、50%がデスロラタジンとして「抗ヒスタミン作用」を発揮するとのことです。下に各薬剤の血中薬物動態をまとめてみました。

ルパフィン錠の添付文書には「ルパタジンとデスロラタジンそれぞれの薬物動態パラメータ」が記載されています。ルパフィン錠の短い最高血中濃度到達時間はルパタジンの特徴、長い血中半減期はデスロラタジンの特徴からくるものです。ルパフィン錠は「早く効いて、効果が長く持続する薬剤」ということができますね。

【血中薬物動態】

ルパフィン錠 10mg 
tmax(h) 0.9 
t1/2(h) 20.7

デザレックス錠 5mg 
tmax(h) 2.0 
t1/2(h) 22.7

ビラノア錠 5mg 
tmax(h) 1.0 
t1/2(h) 10.5

特記事項:ビラノア錠は単回投与、ルパフィン錠とデザレックス錠は複数日反復経口投与でのデータです

「(3)倍量投与可能(適宜増量)」は近年発売された抗アレルギー剤にはない特徴です。ルパフィン錠の場合、10mg(1錠)にて効果不十分の場合は、20mg(2錠)まで増やしていいということです。特に重症の蕁麻疹を治療する際には、「薬剤の倍量処方ができるかどうか」が重要となってくるため、この点においてルパフィン錠は効果的な使い方ができるかと思います。

ただしその反面、ルパフィン錠には眠気の副作用が約10%の方に発現するため、「本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること」という使用上の注意があります。デザレックス錠、ビラノア錠にはそのような副作用がないため、「医師としても処方しやすい」という有利な面もあります。

それぞれの薬剤において一長一短がありますので、やはり使い分けていくことが重要になりますね。

最後に相互作用です。ルパフィン錠は肝臓内の酵素であるCYP3A4で代謝されるため、以下の薬物、飲料との併用には注意が必要です(ルパフィン錠の血中濃度が上昇する可能性があるということです)。

【CYP3A4阻害剤】
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
イトラコナゾール
プロテアーゼ阻害剤(抗HIV薬)など

【グレープフルーツジュース】

これまでにない抗PAF作用を有している「ルパフィン錠」ですので、発売後は当院でも採用したいと考えています。



関連記事


ページ上部へ戻る