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2.62018
【院内勉強会】ニキビ治療成功へのポイントは1つだけ
本日は昼休みを利用して、マルホ株式会社さんによる「ベピオゲル 院内勉強会」を開催しました。
この会社は「皮膚科学領域に特化した製薬会社」なので、皮膚病治療薬を数多くラインナップしていますが、その中でも「ニキビ治療分野」においては一際力を入れている印象があります。
ニキビ治療分野における外用剤に関しては、この10年間で世界標準に追いつきました。「アダパレン」と「過酸化ベンゾイル」という2つのメジャーな成分が日本でも使えるようになったからです。具体的には以下の4剤が発売されています。
■ディフェリンゲル(アダパレン)
■ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)
□デュアックゲル(過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン)
■エピデュオゲル(過酸化ベンゾイル+アダパレン)
4剤のうち「■がついている3剤」がマルホ株式会社から発売されており、その注力具合を窺い知ることができます。
本日の勉強会で示されたデータを要約すると、以下の2点でした。
皮膚科医へのアンケート(n=298)結果によると、ニキビ患者において「体幹部(胸、もしくは背中)に皮疹がある割合」は約30%で、「胸・背中の両方に皮疹がある割合」は約10%だった。顔面のニキビに比べ、体幹部のニキビに対する医師の治療満足度は低く、両者において有意差が認められた。
3ヶ月間の臨床試験にて外用抗菌薬とベピオゲル(過酸化ベンゾイル)の有効性を比較した結果、「炎症性皮疹数の減少率」及び「総皮疹数(炎症性+非炎症性)の減少率」において開始2週間後から有意差が認められた(その後12週後まで全期間において有意差あり)。
これまでも臨床の現場では、体幹部のニキビに対し「過酸化ベンゾイル」を使用して好感触を得ていましたが、この治療効果が経験則だけでなく、きちんとした臨床試験に基づいたデータとして示された点に意義があります。
私自身は治療初期には「デュアックゲル(過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン)」から開始し、炎症性皮疹が落ち着いたら「ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)」という方針としています。今回しっかりとしたデータも出たことですし、この方針は今後も継続していきたいと思います。
最後に、本日の勉強会でいただいた資料の中に「ニキビ治療の全体像」について分かりやすい図があったので、紹介させていただきます。
ニキビとはいわゆる「ニキビ年齢」と呼ばれる一時期にのみ発症する病気です。ニキビ年齢とは一般的に「早い子だと10歳頃からはじまり、終わるのが20歳くらいの期間(個人差あり)」を指します。
ニキビ年齢の期間は、男女問わず「体内における男性ホルモン分泌量の増加」が起こり、それによりニキビを生じやすい肌質となり、ニキビの各症状が繰り返し現れるのです。
つまりニキビの原因は「体内からの男性ホルモン」にあるわけですから、ある年齢に達して性ホルモンのバランスが落ち着くまではニキビと縁が切れないということになります。従って「ニキビ治療は見た目(皮膚の状態)に惑わされてはいけない」ということです。
重要なポイントは1つだけです。「ニキビ治療は見た目が良くなっても止めないこと」です。ニキビの原因は「体内からの男性ホルモン」にあるわけですから、「短期間治療して見た目が良くなったからといって治療をやめてしまうと再発する」というのは容易に想像できると思います。
再発を繰り返せば繰り返すほどニキビ痕を残しやすくなるため、「見た目が良くなっても治療を自己中断しないで!」と切に願っています。
この10年間の進歩により、「維持期(安定した状態)のニキビは外用剤のみで十分コントロール可能」となっています。日々の治療に必要な時間は5分もかかりません。毎日の5分未満の治療時間を、将来の自分のために継続的に投資してください。この点こそがニキビ治療の成否を分けるポイントです。
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