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手汗の治療について勉強してきました!



本日はグランドニッコー東京台場にて開催された「アポハイドローション全国講演会」に参加してきました。

アポハイドローション講演会2025

アポハイドローションは現時点で唯一の「原発性手掌多汗症(手のひらの発汗過多)」に対する保険適用治療薬です。約2年前に発売になり、当院でも多くの患者様にご活用いただいております。

原発性手掌多汗症の日本における患者数は約493万人、そのうち治療が必要と想定される中等症〜重症の患者数は約230万人(全体の40%強)と言われております。本日の公演にてアポハイドローションの利用患者数は、2年間で約3万人と演者が発表されていました。

薬剤を必要としている患者数約230万人に対して、治療を経験した患者数がたったの約3万人(全体の1.3%)と聞いて愕然としました。あまりにも少ない、と(1.3%という数字は、ほとんど誤差のようなものです)。

皮膚科医、頑張らないといけないですね。

メーカーも「手の汗のこと、相談してみよう」というラッコちゃん人形を使ったTVCMを流して啓発活動をしていますが、皮膚科医ももっと疾患自体のこと、そして治療薬があることについて啓発しないといけないと思いました。

原発性手掌多汗症は平均的な発症年齢が約8歳、症状について悩み始める平均年齢が12歳、主な患者層が10〜20歳代(患者分布は各年齢層に存在していますが、最も大きなボリュームは若い方々です)という疾患です。

手汗が多いことにより「紙が濡れてふやけてしまう」、「握手ができない」、「スマートフォンやパソコンの操作がしにくい(認識されない、機器が壊れてしまう)」、「スポーツや楽器などが制限されてしまう」という方は、是非皮膚科を受診してください。

多汗症の治療は「発汗量ゼロを目標にすることではなく、発汗を適切な量にコントロールし、日常での困りごとを減らす」ということが一般的なゴールとなります。

アポハイドローションにて原発性手掌多汗症を治療する際には、以下の点が重要となります。
・1回の塗布量(1回5プッシュを必ず守る):1〜3プッシュで治療効果が発揮されなかった報告があります
・治療継続の重要性:毎日続けることがが重要で、効果は徐々に高まります
・初めの目標:まずは4週間継続しましょう!
・治療の効果:4週間後には約半数の人において、手汗の量が半分以下になります

もう少し長期的な治療経過を「国内第III相長期投与試験」よりご紹介します。
■アポハイドローションを使用することにより治療開始時に比べ発汗量が50%以上改善した患者割合
・投与12週後:60.7%
・投与24週後:72.0%
・投与36週後:66.7%
・投与52週後:72.6%

手汗に悩み、アポハイドローションにご興味を持たれたら、当院にご来院ください。12歳から使用可能です。

7月中には1ヶ月分入った大容量ボトルも発売になりますので(現状は1ボトル1週間分)、かなり使いやすくなると思います!



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