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8.72016
日本美容皮膚科学会 2016-8-7
本日は京王プラザホテルで開催されている「日本美容皮膚科学会 総会・学術大会」に参加してきました。
大変興味深かったのは、以下の演題でした。
演題 顔の形状維持に機能する真皮係留機構の解明
演者 資生堂グローバルイノベーションセンター 江連 智暢先生
実に様々な実験を行い、皮膚が「皮下脂肪織の線維性隔壁」を介して垂直方向に保持され、また弾力の維持にも「皮下脂肪織の線維性隔壁」が重要な役割を果たしていることを示されました。
また「皮下脂肪織の線維性隔壁」は加齢とともに減少し、皮膚のたるみに繋がることも示されていました。30歳以下と60歳以上の方の顔面皮膚を用いて比較されてましたが、60歳以上の方では「皮下脂肪織の線維性隔壁」の数の減少と体積の減少が顕著でした。
これほどまで加齢によって「皮下脂肪織の線維性隔壁」に変化が起こるとは驚きでした。確かに、皮膚を皮下組織に係留させている重要なパーツが弱くなれば、たるみを生じるのも容易に想像できます。
この重要な「皮下脂肪織の線維性隔壁」を太く、しっかりした状態とするには、どのような治療が最適か? レーザーは届かない深さです。HIFU(高密度焦点式超音波治療法)なら届きますが「皮下脂肪織の線維性隔壁」を選択的に加熱することは難しいです。
現状で最適な治療方法は「RF(ラジオ波)治療」でしょう。その中でも特にモノポーラータイプがいいと思います。モノポーラータイプのRF治療機といえば、当院でも採用している「サーマクールCPT」です。
サーマクールCPTでは、大きく2つの反応が起こることにより、引き締め効果や輪郭改善効果が得られます。
(1)コラーゲン線維の収縮による即時的な効果
真皮層内の5〜35%のコラーゲン線維が、RFエネルギーの熱により収縮することで、即時的な引き締め効果があります。また、皮下の脂肪層内にある線維性隔壁にも同様の効果がもたらされ、たるみの原因となっている脂肪層が引き締まり、即時的な輪郭改善効果が得られます。
(2)創傷治癒過程で起こる長期的なコラーゲンの再構築
収縮したコラーゲン線維が修復される過程で新しいコラーゲン線維が生成され、収縮したコラーゲン線維と置き換わります。この創傷治癒は約6ヶ月間続きます。
これまでサーマクールCPTは主に40歳以降の方が受けてらっしゃいましたが、この演題で重要性が明らかになった「皮下脂肪織の線維性隔壁」を老化させないためには、30歳から定期的に受けておくことが更に良い結果を生むと思われました。
企業展示で気になったのは2つありました。1つ目は水光注射を行うための「ダーマシャイン バランス」です。これまで他社の自動注入器のデモを数回受けましたが、ダウンタイムの問題から未だ購入に至っていません。
近いうちに、シェアNo.1であるHUONS社の「ダーマシャイン バランス」による水光注射を実際に受けて、再検討したいと思います。
企業展示の2つ目は「ゼルティック」です。部分痩せの治療機で、「クール・スカルプティング」と呼ばれる「冷却により脂肪細胞を選択的に死滅させる」ことが可能です。
ゼルティックは出た当初から注目していましたが、「全世界的に部分痩せ治療の分野で圧倒的シェアNo.1に成長したこと」、「多彩なプリケーターが出揃い、細かい部分まで治療が可能になったこと」から、そろそろ購入を検討してもよいかなと考えています。
こちらも実際にデモを受けてから検討したいと思います。
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