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8.22016
パッチテストパネルS 院内勉強会
今日は昼休みを利用して「パッチテストパネルS」の院内勉強会を開催しました。
パッチテストは皮膚科における主要な検査の1つで、背部等などに種々のアレルゲン(アレルギーの原因物質)を貼り、貼付部位に赤み、しこり、水疱などを生じるかどうかでアレルギーの有無を判定します。アレルゲンは検査用の至適濃度に希釈された物を使用します。
アレルギーの検査というと、採血によって行う「特異的IgE測定」を思い浮かべる方が多いと思います。この検査は喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー等にはとても有用です。しかし、皮膚に接触してアレルギーを起こすかどうかの判断には向いていないため、アレルギー性接触皮膚炎(以下、ACD)の原因検索にはパッチテストが用いられています。
ACDの原因には、皮膚に接触する化学物質、薬剤、金属、化粧品、日用品、食物などが関係しています。その中から特に日本においてACDの原因となりやすいアレルゲンを、日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会が「ジャパニーズスタンダードアレルゲン(以下、JSA)」として設定しています。
JSAを全て網羅するパッチテストの方法は非常に有益ですが、これまではJSAの入手経路が国内で確立されたものがなく、医師の個人輸入に頼っていました。しかし、今回ご紹介している「パッチテストパネルS」が2015年5月に佐藤製薬(株)から発売されたことによって、「JSAが国内入手できるようになり、また検査キット自体も保険適応」という状況になりました。これは非常に画期的なことです。
パッチテストパネルSには22種類のアレルゲンが予めセットされています(24枠中2つは陰性対照)。
・金属4種
・防腐剤3種
・樹脂4種
・ゴム硬化剤4種
・ゴム老化防止剤1種
・油脂1種
・抗生物質1種
・局所麻酔剤1種
・香料1種
・染料1種
・水銀化合物1種
実際の貼り方はこのような感じです。背骨と肩甲骨を避けた部位に貼るのを基本としています。
当院ではパッチテストのスケジュールを「2パターン」ご用意しています。
■パターン1
月曜日(貼付)
↓
水曜日(除去):Day2判定
↓
金曜日:Day4判定
↓
翌週月曜日:Day7判定
■パターン2
水曜日(貼付)
↓
金曜日(除去):Day2判定
↓
土曜日:Day3判定
↓
翌週水曜日:Day7判定
慢性的に繰り返す湿疹、接触皮膚炎、痒疹、異汗性湿疹(汗疱状湿疹)、扁平苔癬、掌蹠膿疱症の患者様の中には、この「パッチテストパネルS」で原因が分かる方が少なからずいらっしゃると考えています。
6〜9月は汗を多くかく時期であるため「パッチテスト不可」となっています。10月になりましたら、これまでの「金属パッチテスト」に加え、新しい「パッチテストパネルS」も使用してのパッチテストを再開します。
ご希望の方は、まず一度ご来院下さい。経過や症状を考慮し、パッチテストの種類やスケジュールを検討したいと思います。
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