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帯状疱疹予防ワクチン 院内勉強会



本日は昼休みの時間を利用して田辺三菱製薬(株)さんによる「帯状疱疹予防ワクチン」の院内勉強会を開催しました。

帯状疱疹予防ワクチンの院内勉強会

理解していただきやすいように「帯状疱疹予防ワクチン」と表現していますが、正式名称は「乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビゲン」」です。水痘とは「水ぼうそう」のことです。

帯状疱疹の予防に「水痘ワクチン」を用いるのには、次のような理由があります。

水痘も帯状疱疹も原因は同一のウイルスによる病気です。ウイルス名は「水痘帯状疱疹ウイルス」です。そのままですね(笑)。初めてこのウイルスが体内に入ってくると「水痘」となります。水痘治癒後もこのウイルスは体内に微量残存しますが、免疫力によって増殖が抑えられるため、健康に影響が出ないまま数十年の時が過ぎます。

その後、50才を過ぎた頃になると「水痘帯状疱疹ウイルス」に対する免疫力が低下してくるため、何らかの契機(体力低下、病気、ストレスなど)が加わるとウイルスを抑えることができず体内で増殖を開始します。この人生で2回目のウイルス増殖が「帯状疱疹」です。

帯状疱疹の発症は統計的に「50才以上」に多いというだけで、50才未満の方に出ないというわけではありません。ちなみに私の息子は小学6年生でV3(三叉神経第3枝領域)に帯状疱疹を発症しましたよ。

50才を過ぎ「水痘帯状疱疹ウイルス」に対する免疫力が低下してきたタイミングで、もう1回ワクチンという形で体内に微量のウイルスを入れて、このウイルスに対する免疫力を再度高い状態にしてあげることが帯状疱疹発症の予防となるのです。

「水痘ワクチン」は日本で開発され、1986年に日本国内での認可を取得しました。その後「水痘ワクチン」は任意接種という形で15年以上使用され、2014年からは「小児に対する水痘予防の定期接種(3才になる前に2回接種)」となった安全性の高いワクチンです。

「帯状疱疹予防ワクチン(=水痘ワクチン)」の有用性は以下の通りです

【海外データ】
・プラセボ(偽薬)接種群 n=1856
・帯状疱疹予防ワクチン接種群 n=1906

■全期間(5年間)の帯状疱疹発症率
・プラセボ(偽薬)接種群 年間11.12/1,000人
・帯状疱疹予防ワクチン接種群 年間5.42/1,000人

■帯状疱疹発症率
帯状疱疹予防ワクチン接種群はプラセボ(偽薬)接種群に比べ帯状疱疹の発症率を「51.3%減少」させた

このデータを簡単に言い表すと「帯状疱疹予防ワクチン接種を受けると、帯状疱疹になる可能性を1/2に減らせる」ということです。帯状疱疹予防ワクチン接種を受けたら帯状疱疹にならないというわけではありませんので、ご注意ください。

「帯状疱疹予防ワクチン」の発症予防効果は「5年間」です。効果を持続させるためには、5年に1回のワクチン接種が推奨されます。

費用は自費となります。これはインフルエンザワクチンなどと同じ扱いですね。当院では「帯状疱疹予防ワクチン」の接種を1回あたり「9,000円(税別)」で行います。

「帯状疱疹予防ワクチン」をご希望の方は当院の診療時間内にいらしていただき、スタッフ、または医師にその旨をお伝えください。よろしくお願いします。



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