医療レーザー治療の基礎知識
美白化粧品の役割
まず一口に「しみ(シミ)」といっても、様々な種類と病状の程度があります。
ここでは分かりやすくするために、「くすみ程度の薄いしみ」と「濃い茶色のしみ」とに分けて考えます。
「くすみ程度の薄いしみ」であれば、市販されている美白化粧品を試してみても良いでしょう。
しかし、「濃い茶色のしみ」では、その効果はあまり期待できません。
前の項ではしみの主な原因を、
と説明しました。
つまり悪いのは角化細胞です。
それでは、「美白化粧品」はどのように働くのでしょうか?
現在、美白を目的としたさまざまな化粧品が売られていますが、それらのほとんどが、『色素細胞』の働きを抑えようとするものです。
『色素細胞』とは、メラニン色素を作って、周りの角化細胞にその色素を手渡ししている細胞です。
濃い茶色のしみの主な原因は、メラニン色素を過剰にため込んでしまう『異常な角化細胞』であって、色素細胞自身ではありません。
このような理由から、「美白化粧品で『色素細胞』の働きを抑えても、濃い茶色のしみはなかなか消えない」、ということになるのです。
実は、多くの化粧品販売員の方がレーザー治療を希望し来院されます。
「自社製品でくすみは消えましたが、はっきりとした濃い茶色のしみは消えませんでした。このしみがあると、仕事上問題があるのでお願いします」とおっしゃるのです。
さすがに化粧品のプロだけに、製品の効能の限界に関しても熟知されているようです。
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