アナウンスBlog

先天性ホクロの治療 多数のQ&Aで詳細解説!



患者様よりお問い合わせを頂きました。

先天性ほくろの治療について教えて下さい。ブログを拝見しましてご質問させて頂きます。

我が家に生後3か月の子供がおりまして、生まれつき頬にブログの写真のお子さんの様なほくろがあります。大きさは約7mmだと思います。

出産した大学病院に相談した所、「1歳以後に全身麻酔で切除手術をしましょう」との事でしたが、全身麻酔をすることに抵抗を感じて悩んでおります。

そこで、こちらのブログを見つけまして初めて液体窒素での治療を知りました。

伺いたいのは、
(1)液体窒素をどのように塗布するのか
(2)麻酔なしとの事ですが痛みはないのか
(3)塗布後は皮膚はどのようになるのか
(4)適応できるものとできないものがあるのか
(5)ケロイドのようになったり色抜けしてしまったりといった合併症のようなものが起こる事はあるのか
(6)治療には保険が適用になるのか

といった点です。

本来受診して詳しく伺うところですが、そちらから、当方まで約2時間の所にございまして、ぶしつけで恐縮ですが、まずはメールでお問い合わせさせて頂きました。

お手数ですが宜しくお願い致します。

当院からの返信です。

〇〇様

お問い合わせありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。

ご質問の「先天性のホクロの治療」について回答いたします。

まず現在の病状についてですが、「生後3ヶ月(=早い時期)」、「頬部(=皮膚の再生力が強い部位)」、「直径7mm(=小さい病変)」という液体窒素による冷凍療法を行うには好条件が揃っていると思われます。

Q.1 液体窒素をどのように塗布するのか?
A.1 治療に適した特殊な形状の綿棒に染み込ませ、それを病変に軽く押し当てることによって皮膚を冷凍します。

Q.2 麻酔なしとの事ですが痛みはないのか?
A.2 冷凍療法は痛みを伴う治療ではありますが、大人であれば「無麻酔で治療可能なギリギリの痛み」です。そのため、過去記事(下記)にも書きましたが、そもそも皮膚への局所麻酔薬の注射自体がかなりの痛みを伴うこともあり、冷凍療法時には麻酔を行わないというのが基本的対処となっています。

【解説】先天性のホクロには液体窒素による冷凍療法が有効!

痛みは治療中、及び治療後1~2時間程度感じます。お子様の場合、治療中は大泣きですが、治療後に抱っこされると泣き止むため、痛みもさることながら押さえつけられている拘束感が嫌なのではないかと考えています。

Q.3 塗布後は皮膚はどのようになるのか?
A.3 治療直後は冷凍されているため白色調を呈しますが、5~10秒以内には通常の皮膚色に戻ります。

Q.4 適応できるものとできないものがあるのか?
A.4 先天性のホクロに限れば、「治療開始の時点で1歳以上である場合」、及び「大型である場合」となります。治療開始時期に関する理由は、前述の過去記事をご参照ください。サイズに関しては、直径3cm以上となると手術も考慮する必要があります。ただお子様の場合は直径7mmですので、特に問題はありません。

Q.5 ケロイドのようになったり色抜けしてしまったりといった合併症のようなものが起こる事はあるのか?
A.5 冷凍療法も過度に深部まで冷凍するとケロイドや肥厚性瘢痕といった傷痕となる可能性がありますが、先天性のホクロの場合は浅い部分までしか冷凍しないため、そのような合併症を伴うリスクは限りなく低いと考えています。逆に言いますと、その程度しか冷凍しないので1回の治療で取り除けるホクロのボリュームは少なく、複数回の治療を前提とした治療プログラムとなります。

治療に伴い薄く皮膚がむけるため、治療後に「一時的な色素沈着・色素脱失」を伴う場合がありますが、時間と共に回復しますのでご安心ください。

その他として、合併症ではありませんが、「完全に取りきれない可能性がある」という点はご理解いただく必要があります。過去記事にも書きましたが、先天性のホクロに対する治療の第一選択は「手術による切除」であるところを、ある特定の条件が揃った場合にのみ行えるのが「液体窒素による冷凍療法」です。治療前に予想していたよりもホクロの成分が真皮深層(もしくは脂肪組織内)にまで及んでいると、冷凍療法により色調が薄くなりサイズも小さくなったものの、最終的に取りきれないという可能性もあります。

Q.6 治療には保険が適用になるのか?
A.6 液体窒素による冷凍療法は健康保険の適用となります。

Q.7 遠方ですので、土曜日にしか伺えないのですが、今後の治療も土曜日でも液体窒素の治療は可能でしょうか?
A.7 治療につきましては、土曜日でも大丈夫です。初診日に治療可能です。

Q8. 診察に制限がかかるということですが、何時ごろに制限をかけるのでしょうか?
A.8 受付人数の制限は、土曜日の場合「100名→80名(2022.11〜)」に達した時点で受付終了となります。「何時に」と時間で決めているのではないため、初診の方の場合は「受付開始から早めの時間帯のご来院」をお勧めしております。詳細は下記ページをご覧ください。また、受付に関し更にご質問がおありの際には、診療時間内に「043-423-3552」までお電話下さい。

【解説】初めて受診される方へ

回答は以上となります。
ご検討いただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いします。



関連記事


ページ上部へ戻る